梅毒は近年感染者が増加傾向にあり、決して過去の性感染症ではありません。

梅毒はかつて性病の代名詞であり、いったん感染すると根本的な治療法もなく、長い年月をかけて重症化し、最後には死に至る恐ろしい病気でした。

トップページでも少しご紹介しましたが、1940年代までは梅毒で命を落とす人は本当に多かったのです。1947年(昭和22年)には148,191人が梅毒に感染し、4,444人が亡くなっています。現在からは想像も出来ない数です。まさに死の病でした。

それがペニシリンなどの抗生物質の発見により、早期に見つかれば完治出来るようになりました。

下に2000年から2015年までの新規梅毒感染者の推移をグラフ化したものをご紹介します。

1.感染者の動向

◇感染者推移 

平成12年(2000年)から平成27年(2015年)までの16年間 全数報告データ使用

梅毒推移

このグラフからもお分かりの通り、平成25年頃から梅毒感染者は急増しています。平成27年は2,000人を大きく超えて2,697人に達しています。実に数年前の3倍です。

現在もこの急増ペースは衰えておらず、国立感染症研究所、厚生労働省、各自治体などから梅毒感染予防の注意が出ています。

また、新規梅毒感染者の年齢別分布を平成26年(2014年)のデータからご紹介します。

◇梅毒年齢層別感染者  

平成27年(2015年)における年齢層別感染者 全数報告データ使用

梅毒年齢

梅毒は、男性では20代から40代に幅広く感染者が多く、女性は20代に集中しているのが特徴です。梅毒感染者急増にともない、若い女性の感染者も急増しています。

2.病原菌と症状、感染ルート

梅毒の病原体は梅毒トレポネーマという細菌の一種です。かの有名なコロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰り、世界中に広まったと言われています。

日本では一番古い記録としては1512年に梅毒が登場しているそうです。当時の日本は室町時代で、京都で梅毒が大流行したそうです。これはヨーロッパで梅毒が広まってからわずか20年後のことで、飛行機もなかった時代であることを考えればとても早い流行拡大です。

梅毒は感染すると、2週間から3週間くらいで初期症状が出はじめます。リンパ節が腫れたり、しこりが出来たりするのですが、痛みもなく放置しているとやがて消えてしまいます。これが第一期です。梅毒はそれで治った訳ではなく、体内では感染が進行し第二期へと移行していきます。

梅毒はこのように発症と潜伏を繰り返し、第一期から第四期まであります。たいていの感染者は第二期までには自分の感染に気付き、病院で治療を受けます。しかし、症状が出るまでほうっておいていい訳ではありません。

例えば母親が梅毒に感染していて、気が付かずに出産すると母子感染の可能性があります。あるいは二次感染でパートナーにうつしてしまう危険があります。梅毒の感染力は第二期までが最も強いと言われ、1回の性行為での感染確率は30%程度だそうです。と言う事は、感染に気付かず特定の相手とコンドームなしの性行為を繰り返すと、かなりの高率でうつすことになります。

梅毒がやっかいなのは、コンドームの使用だけでは感染予防が完全ではないことです。オーラルセックスや、場合によってはキスでも感染することがあります。キスくらいで? あなたはそう思うかも知れませんね。しかし、多くの専門書、公的医療機関のサイトにもキスで感染することがあると書かれています。

関連記事:『梅毒の感染ルート』

3.HIVとの重複感染

梅毒の感染初期には自分で感染に気がつかないこともあるので、あなた自身、あるいはあなたのパトナーが梅毒に感染していないか、十分なご注意を。また、感染に気が付かないでいると危険なことは二次感染以外にもあります。それはHIVとの重複感染です。この点もまた、多くの専門書やネット上で指摘されています。

というのは、まず梅毒に感染していると普通の健康な人よりもHIVに感染する確率が数倍高くなります。これは梅毒に感染することによって、粘膜部に損傷が出来たり、患部にHIVが感染する細胞、CD4リンパ球が集まるためです。つまり、梅毒に感染した状態は、HIVにすれば侵入しやすく、感染しやすい状態というわけです。

そして、いったん梅毒とHIVを重複感染すると、梅毒の進行が速まったり、症状が重症化することもあります。普通の進行速度だと2年も3年もかかる症状が、わずか数ヶ月で悪化してしまうことがあるのです。こうなると、治療の方も当然難しくなってしまいます。

梅毒に限りませんが、早期発見、早期治療が何より大事です。HIVとの重複感染を予防するという観点からも大事です。ちなみに、私が保険所でHIV検査を受けたときにもらった、エイズ予防冊子には、HIVと重複感染が最も多いのは梅毒だと書かれてありました。

梅毒検査は、多くの保健所ではHIV検査と同時に、無料・匿名でやってくれます。ただ、全ての保健所で梅毒検査が可能かどうか、分かりませんのでもしも、あなたが受診をされるなら事前に保健所でご確認下さい。

以上、梅毒についての概要を説明してきました。要は、昔と違っていい薬があるので、感染初期に治療を受ければ完治する病気だと言う事です。ちょっとでも不安、心当たりがあれば、ぜひとも梅毒検査を受けて下さい。できれば同時にHIV検査も受けておけば、なお安心です。

関連記事:『梅毒とHIVの重複感染』

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