梅毒感染を心配する理由は様々です。あなたはどうですか?

私はこのサイトを運営しているので、たまにネットの相談サイトを見たりします。そこには梅毒感染を不安に思う人が多くの書き込みをしています。一番多い書き込み(相談)は、

「〇〇〇なのですが、私は梅毒に感染しているのでしょうか?」

といったパターンの質問です。「〇〇〇」にはそれぞれの理由が入ります。その梅毒感染を不安に思う理由は概ね3つに分類することができます。

1.何かの自覚症状が出ている
性器や太ももなどにしこりが出来た。口の中にしこりが出来た。赤いブツブツのような発疹が出た。こうした症状によって梅毒感染を疑うケースです。

2.梅毒感染の可能性がある行為を行ったために不安になる
多くは性風俗で遊んだ行為を不安に思って相談しています。むろん、この場合は梅毒に限らずHIVやクラミジアなど、他の性感染症も同時に不安になります。しかし、なぜか梅毒感染だけを心配する相談者もいます。


3.性行為感染以外の感染ルートを不安に思っている
この3番の相談が意外や意外、けっこう多いのです。例えば、公衆トイレの便座から感染しないか、他人の唾液や血液に触ってしまったのだが感染しないか、果てはお風呂や食器から感染しないか、という相談です。これもなぜか梅毒感染だけを心配している相談者がいます。この3番の感染不安はほとんどインフルエンザ感覚で心配している感じです。

さて、もしもあなたが上記3つのどれかを理由に梅毒感染を不安に思ったとしたらどうでしょう、あなたはどうしますか?やはりネット上に書き込みをして相談しますか?それともすぐに病院に行きますか?

まず、1番の自覚症状が出てるケース。これはもう相談している場合じゃないです。ただちに病院を探して診察を受けた方がいいです。素人のあなたが自分の症状を正確に診れる保証はなく、しかもそれを文章にして他人にアドバイスしてもらうなど、危険極まりないです。

私は有料の医療サイトにも登録しているのですが、そこでは現役の専門医が質問に回答しています。自覚症状が出ている場合の回答はほぼ100%、

「ただちに病院で診察を受けて下さい。」

これしかありません。結果的に梅毒ではない可能性もありますが、他の性感染症だったり、別の感染症かも知れません。いずれにしても治療が必要になります。

2番のケースは、不安解消のためには保健所や病院で検査を受けるしかありません。確かに1回でも誰かと性行為を持てば梅毒に感染する可能性があります。HIVやクラミジアなどの性感染症も同様です。

そもそも性行為のお相手が特定の信頼できる人なら不安になるはずもなく、性風俗を始め不特定多数の相手だったり、初めてのよく知らない相手だった場合に不安になる訳です。自覚症状が出ていなくても検査を受けることが正解です。

出来れば、梅毒だけでなくHIV、クラミジア、淋菌などもいっしょに検査してもらえば安心です。最低でもHIVは検査をお勧めします。自覚症状が出ないし、もしも梅毒と重複感染していると重症化したり進行が早まったりすることがあるからです。

さて、問題は3番です。梅毒がお風呂で感染するなどあり得ませんが、不安に思う人は真剣です。もしもあなたも3番のような感染ルートを不安に思うようなら、梅毒を始めとする性感染症の感染の基本を思い出して下さい。

『梅毒の感染ルート』にも書きましたが、性感染症の基本は、

「感染者の体液が相手の粘膜部に接触すること。」

です。

これが性行為感染の基本です。梅毒はむろん、HIVでもクラミジアでも淋菌でも同じです。

ここで言う体液とは、精液・膣液・母乳・汗、血液、涙、尿、鼻水、唾液などを言います。一般に感染するほどウイルスを含んでいるのは精液・膣液・血液・母乳などです。ただし、これは病気によって異なります。

例えばHIVはキスだけでは感染しません。これは唾液に含まれるHIVの量が感染するほどないからです。しかし、梅毒はディープキスでも感染することがあります。これは梅毒の病原体である、梅毒トレポネーマが口の中にも感染することがあるからです。

一方、粘膜部というのは、性器、肛門、直腸、尿道、口腔(のどや口の中)などを指します。こうした粘膜部にウイルスや細菌を含んだ体液が直接接触することで感染します。

粘膜部以外の健康な皮膚を通してウイルスや細菌が感染することはありません。ただし、皮膚に小さなキズがあったり、炎症を起こしていたりするとそこから感染する可能性があります。

このように、梅毒を始めとする性感染症の性行為感染は体液と粘膜部が接触することで成り立っています。従って、梅毒がお風呂やトイレの便座から感染することはありません。食器や食べ物から感染することもあり得ないし、感染者の血液や精液に手や指が触れただけでも感染しません。(むろん、触れないようにするのがベストです)
ただし、これらの感染ルートも病気によってはあり得ます。例えば淋菌はトイレの便座から感染する可能性があるし、トリコモナスはお風呂で感染する可能性があります。

しかし、これらは非常にまれなケースであり、それほど心配する必要はありません。もしもこんな感染ルートで感染が広まるなら、これはもう性感染症ではなく一般的な感染症となってしまいます。

あなたが梅毒感染に不安を持つこと自体は危機管理に敏感、感度が高いということであり、とてもいいことだと思います。ただ、出来ればそこに正確な知識、情報をインプットしてもらえるとなお安全ではないでしょうか。

このサイトが少しでもお役に立てればと思います。

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