梅毒の検査方法は大きく分けて梅毒の病原体を検出する方法と、血清中の抗体を調べる方法の2通りがあります。

一般の梅毒検査には、抗体を調べる梅毒血清反応検査が使われています。なぜなら、梅毒の病原体である、梅毒トレポネーマ(TP)を検出しようとすると、TPを含む検体が必要だからです。

例えば梅毒感染によってできた粘膜疹や硬性下疳(こうせいげかん)などの病巣から漿液(しょうえき=分泌液のこと)を採取して、それを顕微鏡で検査します。

しかし、そんな病巣が出来るのって、梅毒感染がかなり進行してからです。もっと早期の潜伏期間中に検査をやろうとすると、検体採取ができません。ゆえに一般の梅毒検査では病原体検査よりも、梅毒血清反応検査が使われています。

ということで、ここでは梅毒の検査方法として梅毒血清反応検査を説明したいと思います。

◇梅毒血清反応検査とは?

梅毒血清反応検査とは、梅毒の感染によって体内で作られる抗体を見つけて、それをもって梅毒感染の有無を判定するものです。従って検査で見つけるものは抗体であって、梅毒そのものではありません。

梅毒の感染によって作られる抗体には何種類かあり、どの抗体を検査するかによって検査の意味が違ってきます。まずは一般的に多く使われているSTSとTP抗原法について説明したいと思います。

◇STS(Serologic Test for Syphilis)

STSとはserologic test for syphilisの略です。

●sserologic test =血液学のテスト

●syphilis=梅毒

STSで調べる抗体は、カルジオリピン抗体と言います。梅毒があなたに感染すると、梅毒トレポネーマ(TP)があなたの細胞を破壊し、細胞の中からカルジオリピンと呼ばれるリン脂質が出てきます。このカルジオリピンに対する抗体がカルジオリピン抗体です。

つまり、カルジオリピンという自己抗原に対する、自己抗体がカルジオリピン抗体です。何だかややこしいですね。要するに梅毒に感染して結果的に作られるカルジオリピン抗体が存在するかどうかで、梅毒感染を判断します。

このカルジオリピン抗体は梅毒に感染して2週間から5週間後に現れます。後述するTP抗原法に比べて早い時期に陽性となるため、早期診断に適しています。

しかも、カルジオリピン抗体は抗体価(抗体の量)が梅毒の症状に比例して増えたり減ったりするため、治療効果の判定にも使われます。

ただ、この検査はカルジオリピンというリン脂質に対する抗体を調べているため、梅毒以外の原因でカルジオリピンが存在していると偽陽性となってしまいます。(本当は梅毒に感染していないのに、感染していると判定すること)

例えば、妊娠、膠原病、肝疾患、梅毒以外の感染症などでもカルジオリピン抗体が陽性になることがあります。従って、梅毒感染の確定診断にはSTS法単独ではなく、TP抗原法を併用します。

繰り返しになりますが、STS法のメリット、デメリットを整理しておきます。

●STS法のメリット
・検出感度が高く、TPが感染して2週間から5週間後には検査が可能となります。

・検査結果がTPによる炎症の程度を反映するため、治療の効果確認に利用できます。完治しているかどうかの判定にも使われます。

●STS法のデメリット
・検査原理でも説明したように、直接TPに対する抗体を検査しているのではないため、偽陽性が出る可能性があります。例えば梅毒以外でも、妊娠、膠原病、慢性肝炎、肺結核などでも陽性反応が出ることがあります。

STSの種類には、

●ガラス板法

●凝集(ぎょうしゅう)法

●RPR(Rapid Plasma Reagin test)カード法

などの方法があります。もっと詳しく知りたいあなたはこちらから⇒『臨床検査一口メモ』

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◇TP抗原法

この方法は梅毒トレポネーマ(TP)を抗原とし、その抗体を検出する方法です。ちょっとややこしいのですが、検査するのはTP抗原ではなく、TP抗体です。

なので医療サイトの中には、TP抗体法という名称で解説しているものもありました。ただ、私が持っている専門書(「性感染症STD」南山堂)ではTP抗原法と表記してあったのでそれにならいます。

TP抗原法はSTS法のように間接的に梅毒感染を調べる方法ではないため、正確な検査ができます。偽陽性が出にくい検査方法です。

●TP抗原法のメリット
・TPに対して産生された抗体を調べるため、偽陽性がありません。(正確には極めて少ない)

●TP抗原法のデメリット
・梅毒感染後3ヶ月以降でないとTP抗体が作られないため検査が出来ない。

・治療が終わった後も陽性となるので、治療効果の判定には使えません。


TP抗原法には、次のような種類があります。

●TPHA法(T. pallidum hemagglutination)

●FTA-Abs法(Fluorescent Treponemal Antibodyabsorption)

●ラテックス凝集法

●化学発光法

●イムノクロマト法

この中でTPHA法、FTA-Abs法が代表的な検査方法として使われています。もっと詳しく知りたいあなたはこちらから⇒『臨床検査一口メモ』

◇STS法とTP抗原法の組み合わせ

さて、全国の保健所では、梅毒検査を無料・匿名で行っています。ほとんどの保健所がHIV検査との抱き合わせが条件となっているようです。これはHIVと梅毒の重複感染が非常に多いためです。

保健所で行っている梅毒検査がどんな検査なのか、全国の保健所のホームページを見て回ったのですが、30件探して1件も載っていなかったのであきらめました。分かりませんでした。

ただ、実際に保健所で梅毒検査を受けたと言う人のブログがあって、それによるとRPR法とTPHA法の併用だったそうです。どちらも比較的手間のかからない検査なので、保健所でのスクリーニング検査として使われているのだと思います。

ただ、その人は保健所で詳しい検査結果の説明を聞くことができず、結果のみ渡されたそうです。これ、素人には難しいです。検査結果を正しく理解するには、STS法とTP抗原法の組み合わせの意味を理解しておく必要があります。

STS法とTP抗原法の組み合わせを簡単にご紹介しておきます。詳しい解説はこちらをどうぞ。⇒『梅毒血清反応検査の解釈』

◇梅毒血清反応検査の解釈

STS法 TP抗原法 結果の解釈 治療
1 梅毒感染なし 不要
2.1 生物学上の偽陽性 不要
2.2 梅毒感染初期 必要
3.1 梅毒感染 必要
3.2 梅毒感染治療後の抗体保有者 不要
4 梅毒感染治療後の抗体保有者 不要

表1.梅毒血清反応の解釈

何だかとってもややこしいですね。あなたが保健所や病院で梅毒検査を受けたら、検査結果の解釈をしっかり聞いて下さい。STSの場合は偽陽性の可能性があるし、TP抗原法では現在感染していなくても過去に感染の経験があれば陽性となります。

こうした梅毒検査の解釈をめぐる不安や心配をネット上で相談する人は非常に多くいます。今後当サイトでも検査結果の見方に関する情報を増やしていきたいと思っています。

まぁ、何はともあれ、梅毒感染の不安があればすぐに検査を受けて下さい。HIVとの重複感染が非常に多いので、同時検査をお勧め致します。

★関連記事:『梅毒血清反応抗体値の見方』

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