梅毒検査には病原体である梅毒トレポネーマ(TP)を直接見つける方法と、梅毒の感染によって作られる抗体を見つける梅毒血清反応検査の2通りの方法があります。

普通、私たちが保健所や病院で検査してもらうときには梅毒血清反応検査が使われます。

なぜなら、直接TPを見つけるには梅毒発症後の患部から検体を採取する必要があるからです。

ところが実際にはまだ梅毒に感染しているかどうか分からない状態で検査を受けることが圧倒的に多いわけで、確実に病原体が存在する検体を採取することは難しいのです。

それゆえ、病変部が明確になっていなくても反応が出る血清反応で検査を行うのです。

 

◇STS法とTP抗原法

血清反応検査にはSTS法TP抗原法の2種類があります。

詳しくは「梅毒の検査方法について」をご覧下さい。

どちらも梅毒感染によってできる抗体を見つける検査なのですが、何に対する抗体かが異なります。

簡単に言うと、STS法とはTP(梅毒トレポネーマ)によって破壊された組織に対する自己抗体です。

直接TPを抗原とした抗体ではありません。

一方、TP抗原法では病原体であるTPそのものを抗原とした抗体を調べます。

この2つの検査の特徴として、次の3つがあります。

1.梅毒に感染して、先に反応が現れるのがSTS法で、TP抗原法では2、3週間遅れて反応が出る。

2.梅毒治療が終わるとSTS法は陰性に戻るがTP抗原法では陽性のまま残る。

3.STS法で陽性になっても、100%TPに感染しているとは言えず、偽陽性が出る可能性がある。

では、STS法とTP抗原法を組み合わせた血清反応検査の解釈法を紹介します。

◇梅毒血清反応検査の解釈

STS法 TP抗原法 結果の解釈 治療
1 梅毒感染なし 不要
2.2 生物学上の
偽陽性
不要
2.2 梅毒感染初期 必要
3.1 梅毒感染 必要
3.2 梅毒感染治療後の抗体保有者 不要
4 梅毒感染治療後の抗体保有者 不要

1.STS法で陰性、TP抗原法でも陰性
・・⇒感染なし

両方の検査で陰性であれば、梅毒感染の可能性はありません。

ただし、梅毒感染直後の2~3週間はウインドウピリオドにあたり、反応が出ません。

感染の可能性があった日から4週間経過して検査するのが望ましい。

2.1.STS法で陽性、TP抗原法で陰性
・・⇒STS法偽陽性

STS法では本当は感染していないのに陽性となる偽陽性が出ることがあります。

例えば妊娠、膠原病、慢性肝炎、肺結核などでも陽性反応が出ることがあります。

この場合には感染していないので治療は不要となります。

2.2.STS法で陽性、TP抗原法で陰性
・・⇒感染初期

STS法の方がTP抗原法に比べて早く反応が出ます。

従って、TP感染初期においては、STS法のみで陽性になることがあります。

この場合には実際に感染しているので治療が必要となります。

STS法の偽陽性なのか、感染初期なのか、どちらであるかを見極めるには2週間から3週間後に再検査を行います。

3.1.STS法陽性、TP抗原法陽性
・・⇒梅毒感染

両方の検査で陽性になった場合には当然ですが感染の疑い濃厚です。

治療が必要となります。

3.2.STS法陽性、TP抗原法陽性
・・⇒偽陽性・抗体保有者

ただ、STS法では偽陽性の可能性があります。

そしてTP抗原法も過去に治療経験があると陽性のままになっています。

つまり、現在感染していなくても両方の検査で陽性になる可能性があります。

この場合には実際には感染していないので当然治療は不要です。

4.STS法陰性、TP抗原法陽性
・・⇒抗体保有者

現在感染しているのではなく、過去に感染したことがあって抗体が残っている場合です。当然治療は不要です。

以上が梅毒血清反応検査の解釈です。

STS法は偽陽性も出る代わりに怪しい反応は全部検出します。その意味ではスクリーニング検査です。

TP抗原法は偽陽性がない代わりに見つけた抗体が現在感染して出来たものか、過去の感染で出来たものか区別が出来ません。

あなたの過去に感染経験がなければ、TP抗原法が陽性になった時点で結果が確定します。

◇まとめ

今回は梅毒血清反応検査の解釈法について記事にしてみました。

STS法とTP抗原法の2つの組み合わせで梅毒感染を判定します。

なかなか読んだだけでも分かりにくいと思います。

でもあなたが心配する必要はありません。きっと医師が詳しく説明してくれると思います。

(医師によっては不親切で詳しくは教えてくれないかも知れません。)

ですから、ここでは凡そのイメージだけつかんで頂ければと思います。

 

さて、かつては不治の病、致死的疾患であった梅毒も現在ではペニシリンによって完治出来ます。

ただし、梅毒は発症と潜伏を繰り返します。感染に気がつかずに重症化させると治療が困難になることもあります。

早期発見、早期治療が大事ですから、性器に赤いしこりが出来たり、体のどこかに異常な発疹が出たらすぐに検査を受けて下さい。

なお、梅毒はHIVとの重複感染も非常に多い性感染症です。

そして重複感染すると梅毒の進行が速まったり、重症化することがあります。

私が保健所でHIV検査を受けたとき教えてもらいました。

梅毒検査を受けるときにはHIV検査も同時に受けることをお勧め致します。

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