梅毒治療に使われる抗生物質について説明してみたいと思います。

かつて梅毒は一度感染すると治療法もなく、長い年月をかけて重症化し最後は死に至る恐ろしい病気でした。

しかし、ペニシリンが発見されてから治療が可能となり、今では完治できる病気となりました。

もしもあなたが梅毒に感染したら、病院では抗生物質を処方してくれます。梅毒感染の初期で治療すれば4週間、感染晩期で治療すれば8週間ほどで治ります。

では、病院ではいったどんな薬を出してくれるのか、その一例をご紹介しましょう。

データ元は「性感染症 STD」(南山堂)です。

◇梅毒の治療薬

以下に梅毒治療薬の一例をご紹介します。

薬   剤 用  量
サワシリン・パセトシン 1.5g/日 分3
バカシル・ペングロープ 1.5g/日 分3
ビクシリン・ペントレックス 2.0g/日 分4
シンシリン・マキシペン 180万単位/日 分3
バイシリンV2 180万単位/日 分3
アセチルスピラマイシン 2.0g/日 分4
キタサマイシン 2.0g/日 分4
エリスロマイシン 2.0g/日 分4
テトラサイクリン 2.0g/日 分4
ミノマイシン 200mg/日 分2
ビブラマイシン 200mg/日 分2

赤文字4薬剤は妊婦には使用しない。
「分3」とは、1日3回に分けて処方するという意味です。

なお、上記薬剤は2008年当時のデータです。

相当古いので、参考までに性感染症学会の性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016」からのデータも併記しておきます。

●基本(第一推奨)

・バイシリンG 
1 日120万単位/分3(内服)

・アモキシシリン 
1日1,500 mg/分3(内服)

 

●ペニシリンアレルギーの場合

・塩酸ミノサイク リン 
1日100mg×2(内服)

・ドキシサイクリン 
1日100mg×2(内服)

ただ し、妊婦の場合には

・アセチルスピラマイシン 
1日 200mg×6(内服)

 

●神経梅毒/先天梅毒の場合

・ベンジルペニシリンカリウム(結晶ぺ ニシリンGカリウム) 
1日1,200~2,400万単位(点滴静注)

以上のようになります。

◇一口解説

梅毒治療には上の表のような抗生物質を使います。むろん、ここに出ていない抗生物質が使われることもあります。

私は梅毒と言えばペニシリンだと思っていました。

例えば、サワシリン、パセトシン、ビクシリンなどは全てペニシリン系の抗生物質です。

細菌の細胞壁を破壊して、細菌を死滅させる働きがあります。梅毒治療に限らず他の感染症にもよく使われます。

ところが、キタサマイシン、エリスロマイシンなどはマクロライド系の抗生物質です。

こちらは細菌を殺すのではなく、増殖を抑える静菌作用があります。

あるいはテトラサイクリン、ミノマイシン、ビブラマイシンなどはテトラサイクリン系の抗生物質です。

こちらも細菌の増殖を抑える静菌作用があります。

このようにペニシリン系の抗生物質以外も使われています。

これらの抗生物質は患者の症状に合わせて使い分けされます。

◇梅毒の治療費は?

さて、最後にあなたが病院で梅毒の治療を受けたらいったいどのくらいのお金が必要でしょう。

むろん、病院によっても症状によっても異なります。

だいたいの目安としてみてください。

●検査費 10,000円

●診察費  3,000円~5,000円

●薬代(1週間分) 10,000円

健康保険適用の場合は上記金額の3割負担となります。むろん梅毒治療には保険の適用が可能です。

ただし、あなたに何も症状がなく、単に梅毒感染が不安だから検査して欲しいと希望した場合、その梅毒検査は保険適用外になる可能性があります。事前にご確認下さい。

以上、梅毒に感染した場合に病院で処方する抗生物質の例と費用の概算について説明しました。

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