梅毒の母子感染については「梅毒の母子感染」と言う記事で書いた通り、妊婦が梅毒に感染しているとほぼ100%の確率で母子感染が発生します。

それゆえ妊婦検診には必ず梅毒検査が含まれています。それなのに、なぜ梅毒の母子感染は発生するのでしょうか。

今回は国立感染症研究所の公式サイトに見る「梅毒母子感染」発生の事情について記事にしてみたいと思います。

◇過去の母子感染

では、ここで梅毒母子感染の過去データをおさらいしておきます。平成11年(1999年)~平成27年(2015年)までの母子感染は以下のグラフの通りです。

先天梅毒
図1.先天梅毒の推移

図1のグラフは厚生労働省の「性感染症報告数」からグラフ化したものです。青い棒グラフが0歳~4歳までに梅毒感染が報告されたもの、赤い棒グラフは5歳~14歳までに報告されたものです。

先天梅毒は生後2年以内に発症した場合を早期先天梅毒と呼び、2年以降に発症した場合を晩期(後期)先天梅毒と呼びます。従って、図1の青い棒グラフが早期先天梅毒、赤い棒グラフが晩期先天梅毒と思われます。

ただ、厚生労働省のデータは年齢別の仕分けが分かるだけでそれが先天梅毒かどうかは記載がありません。別途私が調べたところ、国立感染症研究所のサイトに図1の青い棒グラフに相当するものが早期先天梅毒だとする解説がありました。

赤色棒グラフに相当するものについては記載が何もありませんでした。

従って晩期先天梅毒については確実ではありませんが、少なくとも早期先天梅毒については図1に示した青い棒グラフの通り発生しています。

 

◇梅毒母子感染が発生する事情

では、この梅毒母子感染が発生する事情、理由とはいったどんなものでしょうか。これも国立感染症研究所の公式サイトにいくつかの記事が掲載されています。

■先天梅毒の動向(2011~2014年)

■妊婦の梅毒検査は2回必要

■本邦における先天梅毒発生予防に向けて

こうした記事を読んでみると、梅毒母子感染が発生する主な理由は次の3つです。

1.妊婦検診を受けずに出産。

2.妊娠初期に検診を受けて陰性、その後に梅毒感染して気付かず出産。

3.妊婦検診などで梅毒感染が分かって治療を受けたが完治しないまま出産。

主な理由はこの3つと書きましたが、これ以外のケースで母子感染はあまり考えられないでしょう。今あげた3つがほぼ全ての理由なのです。

3つのうち、まぁ、2番は何となく分かりますね。せっかく妊婦検診を受けて陰性だと分かっても、検査の後に感染の可能性がある行為に及んでは意味がありません。

ただし、妊娠中に風俗で遊んだご主人によってうつされた、と言う何ともひどいケースもあります。これは妊婦さんには責任がなく、ご主人の罪は重いです。

3番目は医師や病院の責任が重いと思うのですが、実際にこのケースで母子感染が発生しています。完治したかどうかの治癒確認が不十分だったのですね。

これが妊婦さんでなければ、「では治療を続けます。」で済みますが、出産間近の妊婦さんにとっては大問題です。

そして、1番目の理由。妊婦検診を受けなかった、と言うケース。いわゆる「飛び込み出産」と言うケースです。

経済的な理由であったり、何か素性を明かせない事情があって出産直前まで医療機関を受診しなかったケースです。何しろ妊婦検診を受けていないので梅毒以外のHIVやウイルス性肝炎なども母子感染する可能性があります。

 

◇今後ますます増える梅毒母子感染

すでに当サイトで度々記事にしている通り、最近若い女性の梅毒感染が急増しています。これはそのまま母子感染のリスクも増えていることを意味しています。

新規の梅毒感染者がついに2,000人を突破して2,697件だった2015年、早期先天梅毒は14件発生しています。前年が9件ですから増加しています。

更に今年、2016年はここまで年間4,000人を超えるペースで梅毒感染者が急増しています。伴って母子感染も増えることが心配されます。

国立感染症研究所の公式サイトによれば、妊娠中に胎児が梅毒感染した場合、40%は子宮内死亡または周産期死亡だそうです。(周産期とは妊娠満22週から生後1週未満までの期間)

もしもあなたが妊婦さんなら、どうか梅毒の妊婦検診は2回受けることも考えてみて下さい。

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